居残り美術

高校生の時に絵を描く機会はなかったような気がするのだけど小学生の時に絵を描く時間を美術と言っていたか、あまり自信がない。
ともかく私は絵を描いたり、家庭科でエプロンを作ったり(あ、これは高校生のときだね?)、ちまちまと個人的な作業をするときは大抵人より遅れがちで、放課後居残りをして仕上げなければいけないよ、ということが多く、同じ境遇の何人かの居残りの子とくだらないことをベラベラとしゃべりながら居残り作業をしていた思い出があります。
あれってどうしてあんなに楽しいのかしら!
私が思うに、みんなで一つのものを作らなきゃいけないときとは違う、自分のものは自分の責任だけに基づいて好きなだけ時間をかけられる、その気楽さが楽しさを増しているような気がします、だからおしゃべりも許されるんだと。
普段それほど話さない人とでも、居残り作業が終わるまではそこに一緒にいなきゃいけなくて、その、自分で好んでそこにいるわけじゃないのよ、という義務感のなさがあるせいか、テンションがぐわっと上がるので、普段話さない人とのおしゃべりが驚くほど愉快。
そうしてそこから恋が生まれたりもするの、居残り美術マジック。
というか恋をした相手と、「居残り作業が終わるまではそこに一緒にいなきゃいけない」という状況のなんて甘美なことでしょう。
ときに、自分の作る作品のこだわりを自慢しあったりもするけれど、そこに存在する会話の大半は本当にたわいもないおしゃべり。
居残りを知らずにいつも授業の時間の中で作品を完成させ、放課後あっという間に帰ってしまう人を心底かわいそうに思ったりもします、学校生活の思い出を自ら捨てているわ!

というのをどうして言い出したかというと、今職場で何年ぶりかの居残り工作作成中、だからです。
お薬飲もうねボードを訪問介護の患者さんのために作っています、明後日がリミットなので明日も居残り、わーい!
作っているのは私ひとりなのですが居残りの変なテンションに、横を通りかかるほかの仕事をしている人たちが付き合ってたまにおしゃべりしてくれるのでとても楽しい!